あ_お_ぞ_ら #4

2012年からのブログ2つを、合体・移転しました。

5枚ドア

巷で噂?の、ジムニーの5ドア

フレーム伸ばすだけなんだから簡単に作れるんでしょ?

って、 真面目に造ろうとすればする程きっと簡単じゃないよ、と思いつつ

逆に、がっつり造り込んで、

大々的に5ドアジムニージムニーシエラのロング版)が売られるようになると、

この先ジムニー自体が途絶えるかも?

という仮説の話をこれからします。

 

(以下の画像は、ネット上の各所から借用させていただきました。)

 

今を去る事約30年 1980年代末期に エスクードという、一世を風靡した車がありました。

軽のジムニーよりも車体が一回り大きく、街乗りも意識したデザインやサスペンション、でも乗用車の派生ではなくて、成り立ちは悪路を走れる四駆を基にした車

幌車もありました。

ナカナカ、ココロザシは高くて、よく考えて造りこまれた車ではあったらしい。

この車、当時のジムニーよりも一回り大きいと言いつつ、

どんな大きさだったかというと、     

  /エスクードジムニーシエラ(現行)

全長/3,560mm/3,550mm

全幅/1,635mm/1,645mm 

全高/1,665mm/1,730mm

車軸間/2,200mm/2,250mm

重量/1,010kg/1,070 - 1,090kg

Wikipediaより抜粋しました)

こう並べると、現行ジムニーシエラとほとんど同じ大きさなんですよ。

定員は、シエラは4人ですけどね。幅は軽の車体+オーバーフェンダーの寸法なので。

ついでに、エンジンも1.6Lと1.5Lで似たようなモノ。

成り立ちは少し違えど、何か似たようなナリの車。

 

では、このエスクードが、その後辿った道を、順を追って見て行きます。

そこにジムニーの未来と繋がる何かがあるかも?

 

実はその後、ボディが伸ばされた、5ドアが出ました。

(今まさにどっかで聞いてるような話ですね。)

 

時はバブル絶頂、四駆ブームも花盛りで、

2代目パジェロが、パリダカでの走りとSuperSelect4WDの機能性を掲げて華々しくデビューするその少し前

3枚ドアエスクードの車軸間距離を約30センチ、全長を約40センチ延長した、

5ドア版 「ノマド」です。

 

ちゃんと4人で乗る気になれる大きさ

それでいて、パジェロハイラックスサーフよりも小さく、取り回しのし易いサイズ

ノマドが出た後のエスクードは、すっかり5枚ドアが主流

 

ちょっと大きいジムニーが欲しい人より、

サーフやパジェロの、もう少し小っちゃい奴が欲しい人の方が、多かったんでしょう。

手ごろな大きさと、エスクード掘り起こしたこのニーズに注目して、

ヨソの会社からも新たな解釈でCR-VとかRAV4とかが登場し、

ライト系のRV市場として盛り上がりを見せ始め、  

バブル崩壊~ゴツい系の四駆ブーム終焉の中、2代目へとモデルチェンジします。

 

その2代目

初代よりやや膨らみ、丸っこい形になりました。

1.6Lよりも、先代後期に増えた2.0Lとか2.5Lに合った大きさ?

そんなに大きくなった訳でもないんですが、

初代3枚ドアの軽快な感じとは、ちょっと違う感じですよね。

 

で、そもそも、2代目の3枚ドアの実車を見た記憶がありません。

5枚ドアがおそらく基本。

一応、3枚ドアの写真を探し当てたんですが、

無理して寸詰めした感じで、何かボンネットが長く見えます。

どっちみちこの頃にはRAV4とかCR-Vの方が圧倒的に有名になっていたので、2代目自体の印象が希薄

でもこの頃までは、何とか悪路に軸足を残した四駆とは言えてたのかな。

(結局皆さんタイヤさえ大きければ事足りてたんでしょうし、悪路に軸足が必要な人がどれ位居たんだか...。)

 

3代目

ついに、フレームがなくなります。

リアサスも、独立懸架に。

割り切った割には、Hi-Lo切替のトランスファーは残ったらしい...。

見た事はありませんが、ショートボディも存在はしたみたいです。

 

モノコックのボディを二種類造って、トランスファーも残して...

それはどういう頑張りだったのか...何を目指したのか... でも正直、これならハリアーだとかの方がいいや、って私でも思います。

もう、

コレをアレと並べて置くことすらもどうか、って変わり様ですが。

 

...で、この後どうなったか。

 

でもエスクードは売っています。 こんな車です。

ただの車... これ、品揃えとして、どういうヒトとかトコロに向けてのモノなんだろうか?

いずれにせよ、

これはもちろん、

ここからさえも、遥か遠く離れた所に行ってしまいました。

残念ながら、無くなったも同然です。

 

何が言いたいか。

 

誕生時点のコンセプトからは外れて、使い勝手の良い派生モデルが出来て、成功した後は、後戻りが出来なくなるんです。派生モデルを次へ繋げないといけなくなる。

成功した派生モデルを基にして、その後も永く続けて行ければ、それは幸せな事です。

でもエスクードは、5枚ドアで日の目を見て、幸せになれそうに思えたのに、その幸せは長くは続きませんでした。

新たなプレーヤーが登場し、コンセプトが迷走し、車自体が実質消えてしまいました

 

ジムニーは、軽規格の制約があるが故に、

いま、使われている場所に合致したサイズ感がたまたま保てて、維持費なども含めた根強い需要が続いたお陰で、50年間じんわりと続けて来れた車な筈。

海外に出してる奴も、日本の軽サイズ+αな大きさ扱い易さがきっと好まれてるんだろう、と。

“おクルマ”としての扱いを要求しないクルマたち(旧型「ジムニー」は誰も手放さない! イタリアで人気の低年式中古車3台)

デカいのは、ヨソにもありますから。

ここが迷走すると、きっとジムニーは消えるんだと思うんですよ。

5ドアのジムニーが欲しい、ってのは、多分 単純に「車は少し長くてドア枚数が多い方が、普段の使い勝手がいい」っていうだけの話で、

それって、「リアのドアは、ヒンジドアよりスライドドアの方が、使い勝手がいい」って言うのと同じ類の事なんじゃないかと。

あれだけの人気の現行ジムニーが、普段使いも便利な5枚ドアになりました、って言われたら、確かに爆発的に売れる気はしますね。

でもそれ、エスクードの5枚ドアが出た時の発想と何も違わなくないか?って思うと、

いずれ、全く同じように迷走を始めて、全く同じように消える結果になるんじゃないの?って思えるんです。

(基である軽ジムニーには千台/月の根強い市場があるから、元々市場自体無い所から始めたエスクードとは違うかもしれませんが。)

 

もっとも、売れる可能性が高いものを売る、って行為自体は、企業活動として全く正しい事ですけどね。

 

軽規格サイズのジムニーが根強く求められてきたのと同様に、 長いボディのジムニーが以前から現地生産されていた地域で、今も引き続き求められているなら、そこでは普通に造るべきでしょうし。

最後に華々しく盛り上げて幕引きするのも、息の長い商品として残そうとするのも、メーカーの考えひとつ。どう思ってるんでしょうね?沈思黙考してくれていると思うんですが。

素人が思いつくような事なんか、所詮上辺の事でしかないですし。

まずは、インドで生産したのを試しに何台か持ってきて、500万円位で売り付けて遊んでみるところから始めてみたらいいんじゃないですか?

 

以下、オマケです。

イマドキのエスクードは、もはや普通にタダの乗用車だ、って、上で書きましたが、

何かそれにソックリなのがもう一コ居るんです。

顔とおしりが違うだけ、とかの違いじゃなさそうなんですよ。

なんですが、

出来上がったモノとしては大した違いがあるように思えないし、

何のつくり分けなんだろうって?